短答の反省
はじめに
今回結果が出なかったことはたしかに事実ではあるが、まず、今までの勉強方法を否定したり、変えたりしないこと。自分の勉強方法を否定するのと向き合い見つめ直すというのは違う。ここで、何かに手を広げたり他の講座を受けたりするというのは自分の合格を遠ざける危険性があるので気を付けたい。勉強方法以上に変えなければならないことは少なくともあるはず。挫折こそ自分を成長させる大きなチャンス。逆に自分を見直す機会ができたということを気づくことが大きな成長のカギ。このチャンスを活かさないと来年も同じ痛い目に合う。
自分が行った短答対策
①辰巳パーフェクトを使って、3~8周{(令和元年=全1+誤1)+(令和2年=全2+誤3)}
→理由付も答えられるように仕上げた(つもり)。
コンプリの第2タームと併行して短答をやり始めたので2月から開始している。延期決定後も論文と併行して対策していた。
⇔正答率の低い問題(40%未満(なお、公法系、刑事系にみられる1or2問題は除く)はほとんど)を飛ばしていた。
∵正答率の低い問題はみんなできないからと逃げていたし、過去問数自体も多すぎるからたくさん回すためにも割り切った。
→過去問に出てきた以上、その後は受験生の当たり前の知識になるのだから、しっかり押さえておく必要があった。現に、40%や50%といった問題を何個も落としている。
→正答率の低いでも良問は多いし、理解が深まる問題も多いから、逃げないでやるべし
→条文素読は時間的な関係で、民訴、行政、憲法しかしていなかった。
⇔民法の特に改正部分の素読をしたかったが時間的に厳しかったのと、改正はみんなそんなにできないものだと割り切ってしまった。
→過去問学習の際に赤チェックした箇所は条文、判例すべての科目見返した。
③自分が苦手、惑わされやすいポイントや問題を箇条書きでワードにまとめて、それを過去問学習や直前期用として見返す。
→1科目3~6ページあり、多少長くなってしまったが、それにもさらに赤チェックでポイント絞って3、4周繰り返したのでこれについては良かった(と思っている)。
⇔ただ作るのに時間はかかる。
何がいけなかったのか
㋐去年(令和元年)の短答が終わって、短答から離れてしまった。
→おそらくこれが一番の原因だと思われる。当たり前の知識を増やすという意味でも時間はかかるが論文と併行してやるべきだった。短答は筋トレと同じ。いきなり筋肉は増えず、コツコツ積み上げることが大事。
∵論文マスターの受講やコンプリの受講に追われてそれどころではなかったと言い訳できるが、目先の答練の点数を気にして論文ばかりやっていた。
→目先の利益にとらわれず短答を併行していれば、タスクが増えるという意味においても、更に効率性や危機感を煽ることができていたはず。
追記→2年後の自分がいうと、自分にとってこの問題はそこまで重要ではなかった。コツコツとやっても(悪くいえばダラダラやっても)、身に付かないし、忘れる。短答は直前にどれだけ詰め込めるかが大事だと思う。
㋑論文でも理解するという点を意識していたが、論証を覚えるという勉強をしていた側面が強かったのかもしれない。
→覚えた方が楽だし、時間もかからないからという安易な理由。予備なら何とかなるかもしれないが、司法で相当苦労すると思われる。
㋒直前期の追い込みができていなかった。
→ペースが毎回一定。気持ちが入ってない。
∵ペースを変えないのはルーティンであるといえば確かにそうだが、それを言い訳に自分は直前期に追い込めない人間なんだと開き直っていた。
ペースを変えなかった故に相変わらずSNSやYouTubeも見ていた。そこから入ってくる無駄な知識によって肝心の短答知識が少しずつ抜けていった可能性。しかも、それにより、ダラダラしているときもあった。
→コロナの延長期間でペースや気持ちが落ちるのはまだわかるが、日程が決まっても落ちてしまったペースや気持ちを取り戻すのにかなりかかった。それでも、2月3月の方が比較的に追い込めていた。しかし、ただの言い訳。やってる人はやってる。
∵Twitterなどで自分がやらなくてもいいという理由を心のどこかで探してしまっている自分がいた。できている人を見ても、これはマイノリティだと錯覚させて自分はまだ大丈夫だと楽な方にただただ逃げていた。
㋓過去問回していれば、勝手に点につながり合格点にいけるものだと安易に考えていた。
→しかも、正答率の低い問題を検討していない。
㋔200点を狙うと表面的には思っていたが、実際に、さすがに自分では無理だと悟って、必要十分に合格できればいいやと思っていた。
→目標設定がぬるすぎた。
㋕模試の結果が悪くても、模試の結果は気にしなくていいという話や模試の問題は難しすぎるから再現性がないという話ばかりに目を向け、自分の成績を受け止めず、危機感を紛らわしていた。
→楽な方に逃げている、プライドが高い。
㋖できる人と比べることを軽視し、できない人と比べて、一喜一憂していた。調子に乗っていた。
㋗条文素読ではただ読むだけだった。
㋘上記のような分析をしていなかった。ただ、なんとなくやってるだけ。
今後どうしていくべきか
㋐→論文と併行して短答学習をする。(追記:不要。ただ、基礎講義をしている人は随時その分野の短答を解くのはとても有益だと思う。)
㋑→理解を優先するのは今までも当たり前にしていたが、よりそれを明確にすべく、暗記物はさっさと終わらす勢いで頭に叩き込む練習をする。
∵一見、矛盾しているようにも思えるが、暗記目的ではなく、手段に完全シフトするイメージ。(また、理解を深めるとただ言っただけでは解決策にはなっていないという意味もある。)
㋒→こればかりは精神論ではあるが、自分の特性として危機感というのが一番の原動力。
⇒タスクをとにかく増やす。やらなければならないことが増えれば、必然とそれを達成するために危機感を覚える。
⇒自分の結果や自分の立場を見ることができるように、随時模試を受けたり、点数を測ったりして、計画の立て直しや危機感を与える。
→計画倒れはどうするかについて
計画倒れになってしまった原因を書き出せば答えはそこにある。
㋓→過去問だけを完璧にすればいいのではなく、大事なことは、過去問をやって、出題される知識の「広さと深さと傾向」を掴み、その範囲で過去問未出の分野、論点を基礎マスターや演習書等で穴埋め。これは論文でも同じ視点。
→また、短答の過去問を解いて正解することを目的とするのではなく、過去問で学んだ知識をどう本番で活かすか、いろんな聞かれ方を想定して解くことを意識しなさい。
⇒つまり、演習(アウトプット)ばかりやっていると新規の問題に対応できなくなる。考える訓練やテキスト等で知識を抽象化する訓練も日々行わなければならない。
→すべての問題を検討する。
㋔→必要十分を目指すのであれば本番で点を取れないということが分かったと思うので、これはいわずもがな。
㋕→さすがに軽視しすぎた。しっかり受け止めて、低いことはやばい。なぜならたとえ難しくても相対試験なのだから。低いのに危機感がないのはなおやばい。
㋖→自分より低い人はフォローはずせ。比べるなら自分よりレベルの高い人と比べろ。しかし、変なプライドは持つな。
㋗→条文素読はただ読むのではなく、覚える気で読め。この条文の趣旨は何なのか、この条文はどこと合わせて出題されるかなど常に考えながら読みなさい。
㋘→適宜、自分を分析し、更に他人も分析しなさい。
各科目の反省点等
公法系総評
・あと1つ合っていれば点が入る問題がほとんど。
→最後のつめが甘い。正答率の低い問題も解かないといけない。
・日本語問題のミス
→時間がかなり余った上、いつもよりできた感覚があったので余裕をこいてしまった。自分は公法系が苦手なのだから、自分ができているということはまわりもできているということを分かっておくべきであった。
憲法
・日本語問題のミスがもったいない。
→確かに、自分自身日本語問題が苦手ではあるが、今回のレベルを解けないのは小学生からやり直した方がいいレベル。
⇒とはいえ、苦手は克服しなければならない。そのため、日本語問題が出たときは、まず、日本語問題と認定し、公法系は時間が余るのであるから、後でもう一回頭をクリアにして問題を解く。見直す。また、それに時間をかけるべく、他の問題のスピード感を上げる、さすがに水を何回も飲んだりと余裕こきすぎた。
・判例問題は全部正解できたので、この調子で過去問に取り組む。
行政法
・条文で勝負が決まった。
・一定のキーワードに関する肢の結論を過去問で覚えておけば、具体的なロジックに惑わされずに解ける問題があったということ。
→特に、令和2年だと、14問目、18問目(ウに関しては、最初処分性ありと思っていたけど、ロジックをしっかり読み直した時に、そのロジック通りと思い込み、処分性なしと答えを変えてしまった(しかもこの問題は完全に論文知識))。
・代執行の分野が苦手で対策したはずだったが、本番で間違ってしまった。
民事系総評
・正答率50%辺りの勝負を決めるような問題をことごとく間違っている。
→最後のつめ。正答率の低い問題を解かなかった弊害と思われる。
・あと1つ合っていれば点が入る問題がほとんど。
→同上
民法
・改正が多くて面食らった。
→改正が出題されてもみんなできないと思って、そこまで対策していなかった。
・民法は得意だからとまかせてかなり放置ぎみだった。
→過去問学習で条文の読み込みはしたが、素読はほぼやってない。
・二択で迷う肢が多かった印象。
→最後のつめ同上。
・でも、みんながとれているところはとれていたからさらに条文知識と正答率低い過去問の検討で問題ないかと思われる。
商法
・手形法の基礎がなさすぎる。
→論文もままならないのも原因。(追記:手形はコスパが悪いので、過去問演習も最悪飛ばしてオーケー。論文マスター終わったならある程度感覚で解けると思うから、なおさらやる必要ない。手形で勝負はつかない。会社法で満点とればいい。)
・条文知識がもろい。
→過去問で出題されたところしか見ていない。商法に限っては択一六法で補おうと考えている。(追記:大正解だった。)
・勝負を決めるような問題だけでなく、正答率の高い問題も外してしまっている。
→商法は過去問自体正答率の低い問題が多く、飛ばすべきではなかった。(会社法こそ正答率低い問題やるべき。)
民訴法
・既判力、弁論主義といった論文知識の問題を間違えてしまっている。
→大問題。理解している風でいた。
・条文が勝負を決めている。
→稼ごうと思えば、いくらでも稼げたはず
刑事系総評
・正答率50%辺りの勝負を決めるような問題をことごとく間違っている。
刑法
・正答率の高い問題のミスやケアレスミスがあった。
・各論のミスが目立った。
→論文でも苦手にしている分野のミス。論文対策でどうにかなる。
・刑法自体得意なのでかなり割り切ってしまった。割り切りすぎた。
・短答の勉強をしなくても去年(令和元年)の過去問や模試では20点超えていたから、油断していた。
刑訴法
・個数問題でミスしているが、あと1つが合っていれば正解という問題ほとんど。
・条文学習の時に「誰がやるのか、いつから?いつまで?何をしなければならないのか」ということをより意識しながらやるべき。
・学説問題の理解が甘い。
→日本語問題として片づけない。
→刑事系は学説の対立系の問題が近年の論文傾向となっているから、論文学習という意味も兼ねて理解を深めていく。